s.jpg)
永遠とも思える時間の後、遂にウルトラレディの体から二本の管がずるずると引き抜かれていった。銀の巨体は大の字に怪獣達に囚われたまま、もうピクリとも動かない。四本の鋏は、ウルトラレディの体を無造作に地面に落とした。
アスファルトや街灯が砕ける轟音と共に、エリアスの巨体が瓦礫を押し潰しながら地面に落下した。横たわったまま動かない銀色の体は立ち昇る粉塵にまみれ、両脚の間に飛び散った毒液が灼けて黒ずんだ肌から白い煙を上げている。
(もう……駄目……。指一本も動かせない……。私、このまま、負けて……)
意識が遠くなる。微かに開いままの瞼の間から、胸のカラータイマーが消えかかる蝋燭のように赤く揺らめいてるのが見える。その向こうから、怪獣が止めを刺そうと近づいてくる。
(やら……れる……)
二対の鋏がエリアスの体にかかろうとした時、純白の光が柱となって吹き上がった。光の柱は、みるみるうちに直径と高さを増してゆく。その光の強烈さに、勝ち誇る怪獣達でさえ後ずさった。
光は毒煙を吹き払うほどの峻烈さと圧力で、横たわるウルトラレディと怪獣達を押し包んだ。ビルの間に長い影が伸びてゆく。
光が四十メートルを越える長大な柱となった瞬間、光の中からその眩さと峻烈さに負けぬ勢いの大音声が響き渡った。
-1s.jpg)
「立て、エリアス! お前の戦いはまだ終わってはいない!」
光の中から、もう一人の銀色の巨人が大股に歩み出た。隆とした肉体を包む銀色の肌が光を反射し、直視できないほどに眩い。その声と姿に、横たわるエリアスは目を見張った。
「ソ、ソフィア隊長…,」
光は役目を果たしたのか、みるみるうちに光量を減じてゆく。その前に直立し、倒れたウルトラレディを見下ろす巨人を、怪獣達は敵と判断した。怪獣の目にも、先ほど倒された巨人と新しい巨人は同種の存在であることは明らかだった。
s.jpg)
ブォォォォ~!
「た、隊長……っ!」
怪獣は動物の単純さで攻撃に移った。新たな巨人にニ体同時に毒ガスの奔流を浴びせかける。滝のようなガスの流れが巨人の体を直撃し、二本のガスの流れが空中で渦を巻く。立ち尽くすままの巨人は、なすすべもなく猛毒の渦に飲み込まれてしまった。
デウス‐エクス‐マキナ【(ラテン)deus ex machina】
《機械仕掛けの神の意》古代ギリシャ劇の終幕で、上方から機械仕掛けで舞台に降り、紛糾した事態を円満に収拾する神の役割。転じて、作為的な大団円。(goo辞書より)
という訳で、唐突にお助けキャラの登場だったりします。
で、でも、これは古代ギリシャ演劇の構成に則った展開なんですよ! べ、別にご都合主義なんかじゃないんですからねっ!
言わせてもらえば、ゾフィーだって……。
言い訳終了。
今回は私が大好きなピカピカキラキラ・エフェクトを多量に使ってみたのですが、使い過ぎて却って迫力が無くなってしまいました。過ぎたるは及ばざるが如し。難しいです。
ちなみにお助けキャラの名前は「ソフィア」としました。
名前の由来は、本家ウルトラシリーズのお助けキャラ(?)「ゾフィー(Zoffy)」からです。
現代ドイツ語では「ゾフィー」の発音を「Sophie」と綴ります。これは古代ギリシャ語の「ソピアー」を語源とする語で、現代ギリシア語では「ソフィア(Sophia)」となります。
ゾフィー(Zoffy) → 現代ドイツ語:ゾフィー(Sophie) →古代ギリシャ語:ソピアー → 現代ギリシア語:ソフィア(Sophia)
なんかヒネっているようでいて、全く頭を使ってません。ややこしくてすいません。
ロシア女帝「エカチェリーナ2世」のことを調べているうちに、「ゾフィー」がドイツ語で女性名であること、ギリシャ語では「ソフィア」となんかきれいな感じの女性名になることを発見したのです(エカチェリーナ2世はドイツ生まれで、生まれた時の名前はゾフィー。結婚してから改名したそうです。名前がゾフィーと聞くと、歴史に名を残す活躍も納得)。
2011/4/30追記:
上記の記述は誤りでした。エカチェリーナ2世は、婚約する直前に改名したそうです。結婚後ではありませんでした。
無知で申し訳ありません。
ゾフィーはドイツ語圏では珍しくない女性の名前のようです。ドイツ人が「ゾフィー」を見たら、「えっ!」と感じるんでしょうか?
なにはともあれ、新キャラ「ソフィア」は色々改良しながら、使っていこうと思います。
本家ゾフィーの様に、「名脇役」兼「名かませ犬」になればなぁ、と思う次第です。
スポンサーサイト

光は毒煙を吹き払うほどの峻烈さと圧力で、横たわるウルトラレディと怪獣達を押し包んだ。ビルの間に長い影が伸びてゆく。
光が四十メートルを越える長大な柱となった瞬間、光の中からその眩さと峻烈さに負けぬ勢いの大音声が響き渡った。
-1s.jpg)
「立て、エリアス! お前の戦いはまだ終わってはいない!」
光の中から、もう一人の銀色の巨人が大股に歩み出た。隆とした肉体を包む銀色の肌が光を反射し、直視できないほどに眩い。その声と姿に、横たわるエリアスは目を見張った。
「ソ、ソフィア隊長…,」
光は役目を果たしたのか、みるみるうちに光量を減じてゆく。その前に直立し、倒れたウルトラレディを見下ろす巨人を、怪獣達は敵と判断した。怪獣の目にも、先ほど倒された巨人と新しい巨人は同種の存在であることは明らかだった。
s.jpg)
ブォォォォ~!
「た、隊長……っ!」
怪獣は動物の単純さで攻撃に移った。新たな巨人にニ体同時に毒ガスの奔流を浴びせかける。滝のようなガスの流れが巨人の体を直撃し、二本のガスの流れが空中で渦を巻く。立ち尽くすままの巨人は、なすすべもなく猛毒の渦に飲み込まれてしまった。
デウス‐エクス‐マキナ【(ラテン)deus ex machina】
《機械仕掛けの神の意》古代ギリシャ劇の終幕で、上方から機械仕掛けで舞台に降り、紛糾した事態を円満に収拾する神の役割。転じて、作為的な大団円。(goo辞書より)
という訳で、唐突にお助けキャラの登場だったりします。
で、でも、これは古代ギリシャ演劇の構成に則った展開なんですよ! べ、別にご都合主義なんかじゃないんですからねっ!
言わせてもらえば、ゾフィーだって……。
言い訳終了。
今回は私が大好きなピカピカキラキラ・エフェクトを多量に使ってみたのですが、使い過ぎて却って迫力が無くなってしまいました。過ぎたるは及ばざるが如し。難しいです。
ちなみにお助けキャラの名前は「ソフィア」としました。
名前の由来は、本家ウルトラシリーズのお助けキャラ(?)「ゾフィー(Zoffy)」からです。
現代ドイツ語では「ゾフィー」の発音を「Sophie」と綴ります。これは古代ギリシャ語の「ソピアー」を語源とする語で、現代ギリシア語では「ソフィア(Sophia)」となります。
ゾフィー(Zoffy) → 現代ドイツ語:ゾフィー(Sophie) →古代ギリシャ語:ソピアー → 現代ギリシア語:ソフィア(Sophia)
なんかヒネっているようでいて、全く頭を使ってません。ややこしくてすいません。
ロシア女帝「エカチェリーナ2世」のことを調べているうちに、「ゾフィー」がドイツ語で女性名であること、ギリシャ語では「ソフィア」となんかきれいな感じの女性名になることを発見したのです(エカチェリーナ2世はドイツ生まれで、生まれた時の名前はゾフィー。結婚してから改名したそうです。名前がゾフィーと聞くと、歴史に名を残す活躍も納得)。
2011/4/30追記:
上記の記述は誤りでした。エカチェリーナ2世は、婚約する直前に改名したそうです。結婚後ではありませんでした。
無知で申し訳ありません。
ゾフィーはドイツ語圏では珍しくない女性の名前のようです。ドイツ人が「ゾフィー」を見たら、「えっ!」と感じるんでしょうか?
なにはともあれ、新キャラ「ソフィア」は色々改良しながら、使っていこうと思います。
本家ゾフィーの様に、「名脇役」兼「名かませ犬」になればなぁ、と思う次第です。

[PR]
