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透明吸血怪獣

<前回までのあらすじ>
 街で頻発する『連続失血死事件』を追う隊員達。全く目撃証言のない犯人に戸惑いつつ調査をすすめる彼らに、姿の見えない敵が襲い掛かる。敵の正体をつかめぬまま変身して立ち向かうエリアスであったが……

JellyFish(1)

 油断なく身構えていたエリアスの巨体が、突然弓なりにのけぞった。何もないはずの背中に必死に手を伸ばそうともがいている。戸惑いながら見上げる隊員達の目に、うっすらと何かが見え始めた。ザーという奇妙なノイズとともに、ウルトラレディの背中からピンク色の線がするすると宙に向かって伸びてゆくように見える。

JellyFish(2)

 苦悶するウルトラレディの両腕が、不意に空中に持ち上げられた。弱々しく身を捩るが、何故か両腕は空中に釘付けにされたように動かない。その両腕からも背中と同じように、ピンク色の線が伸びてゆく。
「あれは何だ! ウルトラレディの背中に、なにか張り付いてるぞ!!」

JellyFish(3)

 隊員達は遂に失血死事件の真相に気づいた。硝子のように透明な怪獣がウルトラレディの身体に取り付き、体液を吸い上げていた。透明な怪獣の中に体液が流れ込んだことで、怪獣の姿が見えるようになったのだ。ザーというノイズは、体液が吸い上げられてゆく音に違いない。
 怪獣の本来の姿は半球形の胴体に触手の生えた、クラゲのような外見だった。真っ赤なゼリーのようにプルプルと震えながらエリアスの背中や腕に張り付き、触手を銀色の肌に食い込ませている

JellyFish(4)

 両腕を怪獣に吊り上げられたまま、エリアスは遂にがっくりと膝を折った。意識が朦朧としているのか、首がゆっくりと垂れてゆく。怪獣の体長は、差し渡しが五メートルもある。これだけの体液を吸い取られたら、巨体のウルトラレディでも相当なダメージに違いない。
「くそっ! 早く気づいてさえいれば……」
 動きが止まったウルトラレディの巨体に、次々と透明な吸血怪獣達が群がってゆく。透明な怪獣が何体いるのか、何処にいるのか分からないため、戦闘ヘリも近づくことが出来ない。為す術もない人間たちの耳に、次第にゆっくりになってゆくカラータイマーの点滅音だけが響いていた……

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